河内貯水池
その総指揮者が、土木技師の沼田尚徳、当時は東洋最大級のダムで、「土木は悠久の記念碑」という
ダムの堰堤
川幅が約10m程度の大蔵川を堰き止めて堰堤を建設し、山を切り開いで貯水池を造りました。
水の貯水量は720万トンで、北九州市民が過程で1ヶ月に使う水の量に相当します。
北九州のエコの原点やSDGsの取組みがここにある
通常のダムの堰堤はコンクリートむき出しの構造となっています。しかし河内貯水池は違います。
河内の山を切り開いた時に出て来た、自然の石を全て再利用しています。大きいものは、
300㎜x400㎜の大きさに加工して、堤に規則正しく積み上げ、工事段階のコンクリートの型枠
として使い、完成後はダムの耐久性を高める機能を有しています。小さな石はコンクリートが
当時高価だったことからコンクリートに混ぜて使用しました。更に、小さな石に至るまで加工して、
手摺も含めて、まるでジグソーパズルのように石が積み上げられています。
100年後の憩いの場所つくりを考えながら、自然を大切にし、自然と調和したダム造りは、まさに
北九州のエコの原点で、更にはSDGsの取組みとも言えます。
南河内橋
日本でここにしかないレンティキュラートラス橋(レンズ型の橋)です。
沼田尚徳が、欧米出張時に目にした、このデザインの橋が気に入った。八幡製鐵所の自社鋼材を
使って自社の設計で創りあげた自然と調和した優美な橋ですが、乗用車と馬車が1台ずつ通れる
頑強な構造となっています。
白山宮 妻恋の碑
沼田尚徳の大事業の成功の裏の悲しみの出来事、それは事業開始と共に始まりました。
河内貯水池着工の前年に、次女と父を亡くし、その後3人の娘と3男も亡くなった。そんな中
明るい笑顔で支えてくれたのが妻泰子夫人でした。だが最愛の泰子も河内貯水池の完成間際に
猩紅熱でこの世を去りました。
河内貯水池が完成後、白山宮の参道に隣接した土地を自費で買い求め、妻への感謝と哀悼の想い
をこめて「妻恋の碑」を建てました。
管理事務所 |
遠 想 |
沼田尚徳が描いた姿 |
・住 所 | 北九州市八幡東区河内一丁目 |
・アクセス |
西鉄バス「上重田」より徒歩約12分 |
河内貯水池周辺の地図